初めての自作PC – 2022年 コスパ重視
今回は自作PCに初チャレンジ
以前の勤務先では、PCに精通していると思われており、ハードウェアに関する質問がよく寄せられました。しかし、BTO(Build To Order)で注文してプログラミングを中心に活動していた私には、それほど良いアドバイスをすることができませんでした。そのため、今回は、どのようなPCを購入すれば良いかを自信を持って回答できるようにしたいと考えたのが動機です。(ChatGPTよる長文整形)
テーマは、出来るだけ安く、無駄を省き、現在使っているPCより高性能なものにする、の3点
事前準備として、PC Building Simulator 2というゲームで遊び、100個ほど組み立ててからの本番です。
現在使っているPCの構成
現在使用しているメインPCは、4年前にドスパラでカスタマイズ注文したガレリアXFです。価格は約20万円。
構成は
- マザーボード: ASRock H270
- CPU: Corei7 7700K
- メモリ: 16GB
- グラフィックボード: GeForce GTX1070
- ストレージ: Crucial 512GB SSD
- サブストレージ: WD HDD 2TB
- OS: Windows10 Pro
- 追加ドライブ: DVDスーパーマルチドライブ
- CPUクーラー: DeepCool 型番不明
- 電源: 500W Titanium
- グリス: ナノダイヤモンドグリス
- ケース: ドスパラオリジナル
といった感じ
スペック的には十分で、性能をフルに使いきれてません。同レベルのPCを組めれば、困ることはないという基準で構成を考えます。
個々のパーツの評価としては
CPUは普段10%も使ってない感じで、遅いと感じたことは1度もありません。ゲームをしても性能を持て余しています。
メモリは普段使いで8GBほど使用していて16GBもあれば十分といった感じ。
ストレージはSATAのSSDですが、遅いと感じることはありません。OSも30秒以内に起動できます。HDD時代を知っていると、これは爆速です。ただ、現在、もっと速いM.2という規格が主流になりつつあるので、是非試してみたいところです。
グラボの性能は、FHDでゲームをするのに最適なポジションです。かなり重いとされるサイバーパンク2077の高設定で60FPS出せます。AIでも使えて、最近流行りのStableDiffusionでは512×512の画像を13秒で生成できます。PythonとTensorFlowを使った機械学習にも使えます。
音はとても静かで、寝るときに付けっぱなしにしても気になることはありません
これと同等の性能のPCを組むことができれば、困ることはないでしょう。
市販されているPCの性能は2年ほどで倍になるので、パーツが高騰しているとは言え、4年前のPCと同スペックであれば、かなり安くすることができると思います。
自作PCの構成
ということで、練りに練った構成です
- マザーボード: ASUS Prime B660MA D4 mATX(ドスパラ: 15,470円)
- CPU: Intel Core i3 12100F Box(ドスパラ: 15,380円)
- CPU反り防止カバー: Thermalright製 (Amazon: 1,390円)
- メモリ: KLEVV DDR4 2666MHz 8GB × 2枚(Amazon: 5,980円)
- ストレージ: Crucial m.2 NVME SSD P2 1TB(Amazon: 9,435円)
- 電源: 玄人志向 500W Standard(Amazon: 5,327円)
- グラフィックボード: 玄人志向 GTX1660 Super (ドスパラ: 31,800円)
- ケース: Thermaltake H18(Amazon 3,980円)
- OS: Windows10 Pro(ヤフオク: 1,000円)
合計 89,762円(かなり安い!)
パーツの性能と考察
各パーツを選んだ理由を箇条書きにしてみます
マザーボード: ASUS Prime B660MA D4 mATX
- 値段が手頃(15,470円)
- M.2スロットにヒートシンクがついている(高いの付いていないモデルもある)
- 電源回路やチップセットの上にも大きめのヒートシンクが付いている
- グラボ1個拡張するだけならmicroATXサイズで十分
- 筐体を小さくしたい
- 12世代のCPUを使いたい
- 高性能なサウンドや多量のUSBポートは不要
CPU: Intel Core i3 12100F Box
- 12世代の最下位モデルですが、現在使っているCorei7 7700Kより、性能が20%高い
- 値段が15,380円と破格
- 58Wと省電力
- グラボを使うので、グラフィック機能の無いFバージョンで安く抑えることができる
- CPUクーラーが付属している(リテールクーラー)。
- 省電力CPUなのでリテールクーラーでも冷やし切ると予想
CPU反り防止カバー
- ネットで情報を集めていると、CPUを固定するソケット金具の圧力が強すぎてCPUが沿ってしまうという現象が起こるようなので購入しました
メモリ: KLEVV DDR4 2666MHz 8GB × 2枚
- とにかく安い
- ただ、ここはケチらずに3200MHzのものを買えば良かったかなと思ったところです。メインPCは2333MHzなので一応性能は向上してます。
ストレージ: Crucial m.2 NVME SSD P2 1TB
- 一番の目玉はこれ、SATA SSDの更に上を行くM.2 SSD、最近は値段も下がってきて1TBが1万円で買えます。
- M.2 SSDは高速アクセスすると発熱するため別途ヒートシンクが必要ですが、マザーボードにヒートシンクが付属しているため別途購入する必要はない
- 容量的にはOSが100GB未満、今やるゲームを数本入れて300GB程度と考えて、残り500GB程度を個人的に使うデータとして確保できます。足りなければ外付けなりSATAなり追加すれば良いですね。m.2スロットも1つ空いてます。
電源: 玄人志向 500W Standard
- とにかく安い(5,327円)
- レビューの評価も良い
- 新しいPCは現在のPCより省電力になっているため500Wもあれば十分
- ただ、常用する場合は、消費電力を抑えられるGoldランク以上のものを買ったほうが良いと思いました
グラフィックボード: 玄人志向 GTX1660 Super
- GTX1070と同等性能、フルHDゲーミングの決定版といった感じ
- グラフィックボードの高騰が続くなか、32000円と手頃な値段で買える(希望小売価格は25000円らしいので残念)
- メモリが6GBのため、AI性能はGTX1070に比べて劣るのが残念な点。AIをする場合はRTX3050か、+2万出してRTX3060を買ったほうが良いです
ケース: Thermaltake H18
- とにかく安い(またこれ)
- ミニタワーサイズなので誰でも持ち運びできる(メリット大)
- 前面がメッシュになっていて、通気性が良い
- 流行りの裏配線でコンパクトに纏められる
OS: Windows10 Pro(ヤフオク: 1,000円)
- 公式で買うと15,000円~30,000円します。ヤフオクなら1,000円で買えると掲示板で話題になっていて、違法性も無いとのことでした。BTOがプリインストールして販売するときのOSのようなものらしいです。デメリットは再インストールするたびに購入する必要があるということ。頻繁に再インストールしないことを考えればお得ですね。メインPCのシリアルを使えば良いんですけど、誰でも再現できるようにと一応買いました。
という感じです。
低消費電力、十分なFHDゲーミング性能、コンパクトな筐体サイズ、大容量爆速ストレージ、十分なメモリ、十分なCPU能力、価格は9万円。最高の構成だと思います。
よく“パソコンでゲームをするのに20万円以上掛けるなんて勿体ない”という意見がありますが、この値段と性能ならば5万円のゲーム機と4万円の作業用パソコンを別々に買うより、“9万円のゲーミングパソコンを買ったほうが断然お得”だと言うことができます。
自作開始
画像が多いので別記事にしたほうが良いかな、とは思ったけど1つの記事でまとめます。(個々の画像は小さくします)
まずはドン!とパーツ一覧
テンション上がりますね
エアフロー実験をしたかったのでファン類を購入してますが、今回は使っていません。
マザーボードをケースに取り付け
マザボ開封
こちらがケース
マザーボードをネジ止めするためのスペーサーがあらかじめ数カ所に付いていますが、サイズに合わせて追加のスペーサーを取り付ける必要があるようです。マザボを設置したときのネジ穴の位置を見て、右側2箇所に付属のスペーサーを取り付けました。
マザーボード付属のバックパネルをケースに取り付けます
次に、バックパネルの爪を全部折り曲げます
向きを間違えないように、ケースにカチッというまで押し込みます
次に、穴の位置が合うようにマザーボードを設置します。(スペーサーで基盤を傷つけないように注意)
マザーボードをネジ止めします
締め込みすぎるとネジ穴が壊れるため、軽く締め付けましょう。
あと、締め込むことで穴の位置がずれることがあるので、全ネジを穴に通してから増し締めしたほうが良いです。
つぎは、パソコンの心臓部(脳?)CPUの取り付けです
開封すると、ずっしりと重いリテールクーラーと鈍く光るCPUが出てきます。
CPUを持つときは下面の端子部分を触らないように気をつけましょう。微細な電気信号をやりとりするので手の脂は厳禁です。
次にマザーボードのCPUソケットを開けます
金具を押し込んで、右側に引くとソケットカバーが開きます。
ピンの数に圧倒されますね。例えるなら脳と体をつなぐ神経みたいなものでしょうか。
ホコリがつかないうちにCPUをセットします
側面を持ちながら、慎重にセットします。
乱暴に扱うとピンが曲がってしまうので要注意。
このままソケットに固定したいところですが、ソケットカバーをCPU反り防止金具に交換します
購入したCPU反り防止金具
開封するとカバーと取り外し工具とグリスが入っていました。中国製ですがしっかりとした作りです。1380円なのが安く感じます。
付属の工具で既存のソケットカバーを除去
4箇所のネジを外します
全部はずすと、ガチャンと何かが落下する音が聞こえて冷や汗。どうやら裏から挟み込むように固定していた金具が外れたみたいです
ソケットカバーを外すとこんな感じ
スッキリしましたね
付属の金具を乗せるとこんな感じ
これがCPUを均等に押さえつけるように固定してくれます。見た目もカッコいいですね。
次は、さっき落下した金具で基盤を挟んでネジ止めします
背面カバーを開けると、金具が出てきました
ケースを立ててしまうとCPUがポロッと落ちてしまうので下手に動かすことができません
PCケースを机からはみ出すようにすると、下から金具を当てて穴を合わせることができます。
裏側からプレートを支えつつ、取り外したネジで固定すれば完成
かなり苦戦しました。(金具の向きを間違えていて、穴の位置が合わなかった)
次はM.2 SSDの取り付け
安心安全のCRUCIAL製
こんな小さくて薄っぺらいチップに1TBの容量があるなんて驚きです
ヒートシンクを取り外し、チップを斜めに差し込みます
手を離すと少し浮いた状態。金属端子部分は奥まで差し込まれています。
ヒートシンクに付いているサーマルパッドの保護シールを剥がします
熱伝導向上のためSSD側のシールも剥がしたほうが良いかと思ったけど、ネットで検索してみるとシールによる熱の影響は小さく、剥がすと保証が受けられなくなるということで止めました
サーマルパッドを貼り付けつつ、ヒートシンクをネジ止めするという仕様のため、位置合わせが難しかったです。
サーマルパッドの熱伝導性は、押し付け圧が強いほど良くなるという事前知識をもとに、ネジをガッチリと締めましたが、基盤が曲がって見えるのを確認したため、ほどほどに緩めておきました。
次はメモリの取り付け
こちらは経験があるので簡単でした
片側のラッチを開いて、メモリの向きを間違えないように、垂直に、カチッと言うまで押し込みます。右側カチッ、左側カチッと2回鳴ります。
2枚のメモリを使うときは1枚飛ばしでセットすると良いそうです。
CPUクーラーを設置しやすいように右側寄せにしました。
次にCPUクーラーの取り付け
リテールクーラーの初期塗布グリスは熱伝導率が悪いとのことなので、新しいグリスを使います。アルコールとワイプで塗布済みグリスを拭き取ります
次にCPUにグリスを塗ります
綺麗に塗れない・・・
X字に塗ると押さえつけたときに均等に広がるらしいです
後に外したときにわかりましたが、量が足りていませんでした。これよりもう少し足したほうが良いです
ついでにCPUファンの配線もします。大抵の場合CPUの真上にある4pinがCPUファンです
CPUクーラー本体の取り付け
4つのピンを穴に合わせて押し込みます。少し力が必要なので怖かったです。
ピンを左に回すと緩む、右に回すと固定するといった感じ。マイナスドライバーを使うと良いみたいです。
次はグラボの取り付けと行きたいところですが、ケース内が狭くなると配線が難しくなるため最後に行います。(1回取り付けてから外すことになった)
電源の取り付け
裏側から電源を挿入し、4箇所ネジ止め固定します
裏面から見た図
配線の量が凄いですね。ちゃんと組めるか不安になります。シミュレーターでは細かい配線をしていません。
前面上部から伸びている黒いケーブル群は、ケース前面から出ています。USBポートや電源ボタンを作動させるためにマザーボードにつなぐケーブルです。ネット情報によるとそれらのケーブルはマザーボードの10pinと呼ばれるところに接続するらしいです。
マザーボードの説明書を見ると配線をつなぐ場所が明記されています。電子工作っぽい作業は初心者にとっては鬼門ですね。
ラベルと+-の向きを間違えないように配線しなければいけません
この三角形があるほうが+だそうです。
電源スイッチ、リセットスイッチ、HDDランプを配線しました。右側にはブザーを取り付けます。
USB3.0, USB2.0, サウンドのケーブルも指定の場所に挿します
挿す場所はあらかじめ決められているため、そんなに難しくはなかったです。ピンも向きが違えば入らないようになっています。説明書を見ればどこに挿すか書いてあります。
配線が終わったらインシュロックで縛って配線をスッキリさせます
次に電源からの線をマザーボードに取り付けます
過程を取り忘れたので完成図。左上にはCPUの電源、右側にはマザーボードの電源を挿します。ピンの数が固定なので迷うことは無いと思いますが、2つに分かれてるケーブルを一緒に挿すところが難しいです。
SATA類のケーブルは使用しなかったので、裏面底に収納しています。
忘れていましたが、ケースファンのコネクタもM.2スロットの左側にあるピンに挿しています。
最後にグラフィックボードを取り付け、電源コネクタを差し込めば完成です
どうでしょう、ミニタワーサイズですが、まだまだ空間に余裕があります。
長かった・・・(記事を書くのが)
配置するとこんな大きさです
ミドルタワーに比べて、一回り小さいですね。これなら女性でも持てる・・・かな
終わりに
今回は、初めての自作PCに挑戦しました。
計画を練りに練って、スペック・大きさ・値段、あらゆる面で無駄がなく満足度の高いパソコンを作ることが出来ました。これならば、一家に1台ではなく一人一台持つことができます。まさにパーソナルコンピュータです。
ただ、作ってから気づいたのですが、メインPCとほぼ同等性能のものを作って、何に使えば良いのだろう・・・ということ(パーソナルが足りない)
誰か9万で買ってください(T_T)
次回は20万円で作る、最強のゲーミングPCをお送りします!(おい
今回のベンチマークは別記事で行いたいと思います。
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[…] 前回の9万円PCに引き続き、今回は21万円でハイパフォーマンスPCの自作に挑戦したいと思います。 […]